ニューイングランド紀行 アメリカ東部・共生の道
    著/アライ=ヒロユキ 1600円+税 繊研新聞社

アメリカ東部、ニューイングランド。そこには知られざるアメリカの姿がある。
大量消費生活ではなく、伝統と緑豊かな風土を守り続け、自分だけの生活スタイルを貫き通す。その頑固さは偏狭ではなく、それぞれの自由な生き方を認める寛容に結びついている。
キルトやバスケットなどの工芸、ハーブガーデン、宗教共同体シェーカー、移民社会、タウンミーティング、反戦活動。そんなもうひとつのアメリカの今、そしてそのルーツを探る。


琉球新報、週刊金曜日、週刊読書人、しんぶん赤旗、社会新報、
ミュージック・マガジン、キルトジャパン、月刊美術、
出版ニュースで書評紹介。



本書の特徴

・日本での紹介がほとんどないこの地域の、美しい自然、古色あふれた街並み、美術/工芸の豊富な写真掲載

・エコビレッジ・イサカ、アーミッシュ、ネイティブ・アメリカン・イロコイ連邦のスローフードなどの現状報告

・随筆家ソロー、画家グランマ・モーゼスなど、自由と共生の系譜の読み解きから見えてくるアメリカ東部の風土


story1 知られざるアメリカ東部、ニューイングランド

story2 旧と新が共存する地
 
古色あふれる街並み/リベラルの伝統

story3 多様性の実践と伝統 ニューイングランドの今
 家具職人・ミュージシャン・
活動家女たちの絆キルト/スピリチュアルなハーブガーデン/ナンタケット島のバスケット職人/アフリカ・カーボベルデの移民社会(美術と音楽)

story4 この風土に抱かれたもの
 ボストンに遺る
黒人解放の史跡/古都ウェザーズフィールド/さまざまなフォークアート(シェルバーン美術館)

story5 調和の風景から学んだもの
 
グランマ・モーゼスレイチェル・カーソンと国定自然保護区

story6 プロテスタントが追い求めたシンプル&ナチュラルの暮らし
 自治の発祥地プリマス/
小農の伝統が培った独立独歩/プロテスタントの実験社会/清貧の信徒シェーカー/反開発の人々アーミッシュ

story7 超絶主義を訪ねて エマソン、ソロー、エコビレッジ
 コンコード探訪/ユニテリアンからエマソンの精神の独立宣言へ/怠け者のすすめ・
ソロー革命権という伝統/オルコット父の自由教育/超絶主義のコミューン/バックミンスター・フラー/自由と共生の音楽(アイヴズ、ケージ、シェーファー、シーガー)/イサカ・エコビレッジ運動の持続可能性の戦略

story8 閑話休題 映像作品と犬たち
 ニューイングランドと
多様性と議論(『幸せのポートレート』『エデンより彼方に』、スヌーピー、『スター・トレック』『∀ガンダム』)/犬たちの厳選PHOTO

story9 アメリカの影 イロコイ連邦、アンクル・トムの小屋
 
ネイティブ・アメリカンの現代アート/イロコイ連邦共生哲学スローフード・プロジェクト/アンクル・トムの小屋再考/現代詩人たちによるリスペクト

story10 19世紀という時代の転換点 マーク・トウェイン、サラ・オーン・ジュエット
 
文明の告発者マーク・トウェイン/食の産業化と食の自治/西部と成長に背を向けた地域文化/ジュエットのレズビアン文学&開発への抵抗

story11 トクヴィルがニューイングランドに見たもの
 アメリカのデモクラシー/
タウンミーティングの今/自治の都市計画家マンフォード/アーレントの解放論

story12 つぶし合わず、生きるための英知



 

 坂内美和子&絵画教室アトリエMIWA