天皇アート論ーその美、“天"に通ず
著/アライ=ヒロユキ 3024円+税 社会評論社
社会新報(2014年10月1日号)、TH(トーキングヘッズ叢書/60号、2014年)、JT-ART OFFICE「著書・関連出版物コーナー」、週刊読書人(2014年11月7日号)、東京新聞(2014年11月21日号)、図書新聞(2014年12月6日号)、月刊あいだ(217号、2014年)で書評紹介。
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後日本の美術家たちによる、天皇をモチーフにした表現の数々。芸術を支える制度と真実を求める政治的表現の衝突。日本社会における、一木一草に宿るという
天皇制。その中にあって、制度を凝視し、議論を喚起する「天皇アート」の作品たち。それは、この時代における人間再生のための灯火でもある。
【序章】天皇制という分水嶺
社会の名で、いま日本で起きていること/忌避すべき政治性の真髄、天皇表現
【第1章】一九四五以前の天皇アートの変遷と社会背景
歴代の帝肖像画/幕末諷刺画/キヨッソーネ/明治期錦絵(月岡芳年)/明治神宮聖徳記念絵画館&神宮徴古館/本多錦吉郎/宮武外骨
【第2章】敗戦直後に開花したポリティカルアート
池田龍雄/桂川寛
【第3章】戦争体験への熟考から生まれたもの
山下菊二/丸木位里・俊
【第4章】見えない制度をめぐる表現
高松次郎/今泉省彦/赤瀬川原平/貝原浩/向井孝/内海信彦/新潟現代美術家集団GUN(前山忠・堀川紀夫)/小池一誠(幻触)/工藤哲巳
【第5章】天皇という自画像は何を映すのか
大浦信行/古賀忠昭/大江健三郎/三島由紀夫/中上健次
【第6章】ポスト昭和=天皇をめぐって
X─DAYの内外報道/洪成潭/ロナルド・マヌラン/イスワント・ハルトノ/反天皇制全国個人共闘〈秋の嵐〉/荒井真一/金城実
【第7章】アイデンティティの模索と再考
守屋多々志/富山妙子/岡本信治郎/中村政人/中ハシ克シゲ/会田誠/三瀬夏之介
【第8章】仮構なる制度の実相を暴く
柳幸典/飴屋法水/伊藤敦/杉本博司
【第9章】逸脱による解放の表現へ
嶋田美子/森村泰昌/照屋勇賢
【第10章】公共性と天皇制
アトミックサンシャインの中へ沖縄/大榎淳/長澤伸穂とミノル・コリン/1953年ライトアップ展/彦坂尚嘉/靉嘔/宇川直宏/カオス*ラウンジ
【終章】共和のルーツ
横井小楠と渡辺崋山に見る、日本の「天」
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